長良川画廊 長良川画廊トップページ » 第1回 抱石の会

第1回 抱石の会

「抱石の会」は、久松真一記念館を主会場として、講演、展覧などを開催することを目的に発会いたしました。会の呼称「抱石の会」は、いうまでもなく、思想家久松真一の雅号「抱石」に因んだものです。

平成23年10月2日(日)午前10時~

会場/久松真一記念館

講演 第一部 (午後1時30~)

金閣寺は、はじめから金閣寺であった

―「日本国王源道義」こと足利義満と五台山の仏教説話―

湯谷祐三(中世文学)

■湯谷祐三(ゆたに ゆうぞう)
名古屋に生まれる。名古屋大学大学院満期退学。愛知県立大学講師。佛教大学講師。浄土宗西山深草派宗学研究員。中世日本文学専攻。名古屋在住。

あなたは金箔が貼ってあるから金閣寺だと思っていませんか?
金閣寺は俗称・通称で、正式には鹿苑寺だと思っていませんか?
本当は、金箔がなくとも金閣寺は金閣寺なのです。
日本国王を目指した足利義満は、はじめから金閣寺を作るつもりで金閣寺を建てたのです。
金閣寺を文字通りの金閣寺にするために金箔を貼ったのです。
金閣寺という名称は断じて俗称・通称ではありません。
今日、あなたの金閣寺観が変わります。

講演 第二部 (午後3時~)

井筒俊彦

井筒俊彦
大正3年(1914)、東京四谷に生まれる。幼いころより、居士禅の修道者であった父信太郎から禅を学び、独自の内観法を授かる。昭和2年(1927)、青山学院大学附属中等部に入学。毎朝の礼拝に馴染めず、礼拝中に嘔吐する。この経験を後に「一神教的原体験」と語る。この頃より、キリスト教に接近し、西脇順三郎に傾倒する。昭和6年(1931)、慶應義塾大学経済学部予科に入学。昭和9年(1934)、文学部英吉利文学科へ転じ、西脇順三郎の指導を受ける。昭和29年(1954)、同学文学部教授に就任。昭和42年(1967)から昭和57年(1982)まで、エラノス会議に正式講演者として参加。昭和44年(1969)、カナダのマギル大学教授。昭和50年(1975)、イラン王立哲学研究所教授。昭和54年(1979)、イラン革命のためテヘランを去り、その後は日本に研究の場を移す。昭和57年(1982)、日本学士院会員。同年、毎日出版文化賞、朝日賞受賞。主な著訳書に、『神秘哲学』(1949年)『ロシア的人間』(1953年)翻訳『コーラン』(1957-58年)、『意識と本質』(1981年)。Language and Magic (1951年)をはじめ、英文著作も多数。禅、老荘思想、ギリシア哲学、イスラーム神秘哲学などの原典を精読し、独自の東洋哲学を構築する。平成5年(1993)没。

― 叡智の哲学 ―

若松英輔(批評家)

■若松英輔(わかまつ えいすけ)
1968年(昭和43)新潟に生まれる。慶應義塾大学文学部仏文学科卒。著書に『井筒俊彦―叡知の哲学』(慶應義塾大学出版会 2011)、『神秘の夜の旅』(トランスビュー 2011)がある。また『読むと書く―井筒俊彦エッセイ集』『小林秀雄―越知保夫全作品』を編集。2007年(平成19)『越知保夫とその時代』で第14回三田文学新人賞受賞。著作に『小林秀雄と井筒俊彦』『須賀敦子の足跡』など。他に訳書『メディカルハーブ安全性ハンドブック』『ミッチェル・メイ・モデル』。

『井筒俊彦―叡知の哲学―』(慶應義塾大学出版会)刊行記念講演

少年期の禅的修道を原点に、「東洋哲学」に新たな地平を拓いた「知の巨人」井筒俊彦。
その思想を、「禅の哲学者」久松真一の抱石庵で、批評家若松英輔が鋭く解き明かす。

展 覧 (午前10時~午後1時)

日本的霊性

―エクリチュールとしての書画―

山崎弁栄山崎弁栄(辨榮)
安政6年(1859)~大正9年(1920)
法然の再来ともいわれる、近代仏教界の巨人。自らの信仰を光明主義、円具教と呼び、阿弥陀仏を諸仏の根本仏として、念仏によって阿弥陀仏の知恵と慈悲の光明のなかに生きることを説いた。
白隠白隠慧鶴
享2年(1685)~明和5年(1768)
臨済禅中興の祖、近世最大の禅僧ともいわれ、諸国を遍歴し禅の民衆化に努めた。
久松真一久松真一
明治22年(1889)~昭和55年(1980)
西田幾多郎のすすめにより、京都妙心寺僧堂師家池上湘山老師に参じ、、「無相の自己」の覚証に到る。花園大学、龍谷大学、京都帝国大学、京都市立美術大学教授を歴任。ハーバード大学神学部客員教授として「禅と禅文化」を講義。著書に「絶対主体道」「東洋的無」「禅と美術」「久松真一著作集全八巻」など

西田幾多郎西田幾多郎
明治3年(1870)~昭和20年(1945)
京都大学教授、名誉教授を歴任。
日本を代表する哲学者。著書に「善の研究」など
鈴木大拙鈴木大拙
明治3年(1870)~昭和41年(1966)
仏教哲学者。英訳「大乗起信論」「大乗仏教概論」など、禅についての著作を英語で著し、欧米の大学で仏教思想や日本文化について講義を行うなど、禅の文化、思想を海外に広くしらしめた。
柳宗悦柳宗悦
明治22年(1889)~昭和36年(1961)
西洋宗教哲学、仏教思想を学び、民藝運動に心血を注ぐなかで、美と浄土を結びつけた独自な宗教思想を追求した。

開催要項

開催日時 10月2日(日)午前10時~ (午後5時半頃終了予定)

開催場所 久松真一記念館
〒502-0817 岐阜県岐阜市長良福光228-2 TEL058-231-5317 » 久松真一記念館公式サイトへ

参加申し込み (要予約) 定員40名 入場無料

申込先 長良川画廊 電話(058-263-4322)または、メール(nagaragawagarou@nifty.com)にて、
お名前、電話番号、参加人数をお知らせ下さい。