無 MU 特集/長良川画廊
禅における『無』
南宋の禅僧無門慧開(1183〜1260)が四十八の公案をまとめた臨済禅で最も重視される仏教書『無門関』の最初の第一則は「趙州狗子」の公案である。いわゆる「趙州の無字」と言われ、「狗にも仏性はあるか」と問うもの。趙州和尚は『無』と喝破する。「無い」と言ったのでなく、あくまでも『無』。仏はあるか、『無』。神はあるか、『無』。あの世はあるか、『無』。霊はあるか、『無』。有と無の対立を超えた『無』、有でも無でもない『無』。悪と善はあるか、『無』。醜と美はあるか、『無』。死と生はあるか、『無』。また、久松真一の言葉を借りれば「絶対主体的」な『無』。禅は徹頭徹尾とことん『無』になることを求める。そして、それは自身の問題に顧みて徹底的に(絶対主体的に)内観することであり、臨済禅ではそれを「真の自己に目覚める」という。『無』は禅の目指す到達点であり、禅思想の哲理を現す。
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白隠禅師(白隠慧鶴)
85.000円
21版12色シルクスクリーン 桐箱入
限定30部
表具・正絹緞子、手漉き和紙、正麩糊による本仕立
制作・発売元 長良川画廊
監修・久松真一記念館
本紙寸法39×39.5p
全体寸法46.7×129p