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浄土教系
K-308 渡辺海旭

K-308 渡辺海旭
Watanabe Kaikyoku

 渡辺海旭 1
 渡辺海旭 2 渡辺海旭 3
 渡辺海旭 4 渡辺海旭 5
作家名
K-308 渡辺海旭 わたなべ かいきょく
作品名
書簡
価格
御買上げ頂きました
作品詳細
紙本水墨
  書簡寸法97.4 ×18
作家略歴

渡辺海旭
明治5年(1872)~昭和8年(1933)

東京市浅草区田原町に生まれる。号、阿雷狂史、壺月。14歳の時、浄土宗西光寺瑞山海定のもとで得度。のちに西光寺を継ぐ。明治28年(1895)、浄土宗教学本校を卒業。明治33年(1900)、浄土宗第1期海外留学生としてドイツのシュトラスブルク大学に留学。E・ロイマンに師事し、サンスクリット語やチベット仏教、比較宗教学を学ぶ。明治43年(1910)、帰国し、宗教大学教授、東洋大学教授、大正大学教授及び理事長を歴任。高楠順次郎とともに『大正新修大蔵経』の刊行に尽力した  。また、ドイツ留学中、キリスト教徒の「実際的」な慈善事業の在り方を学び、帰国後、深川に労働者救済会館を設立するなど、社会事業の先駆者としても活動した。遺稿集に『壺月全集』(2巻)。

コンディション他

【翻刻文】
粛復、霜風凛烈歳
華将ニ逝かんと申候。世外并
自分匆忙ニ有之候節、益
御清寧化導弥御
旺昌之御義、為邦為
宗、千万拝賀此事奉
存上候。劣弟、依旧愚蒙
唯々頑健、聊犬馬之労ニ
服御座候条、乍憚御安
意奉願度候。扨過
般ハ両回尊書を忝
うし、特ニ今回ハ御鄭
重之御慰問と共に佳
品恵与を忝うし、何
とも慚汗、銘謝之至ニ
御座候。当方より者、甘や(?)
ほか拝呈、愚衷相表
候度、心得ニ御座候へ共、
不取敢拝謝之辞迄
如此候。時下寒威酷
烈、何卒千万
御自重之御義、為
人天祝祷仕居候。以上。
       右奉再拝
 十二月十八日
       渡辺海旭
長崎老僧正
   御侍者中

【読み下し文】
拝復、霜風が凛烈として今年もまさに終わろうとしております。世間の事も自身の事も多忙であります今日此頃、ますます御清勝にて、御布教も御繁昌のこと、国のためにも宗派の為にも、はなはだ結構なことでございます。わたくしも、相変わらず頑健に過ごし、犬馬の労に従事しておりますので、どうぞ御安心くださいませ。
さて、過日は二回にわたり、御手紙をいただき、特に今回は御丁寧なる御慰問に預かると共に、結構なお品を頂戴いたしまして、何とも恐縮にて、深謝のいたりでございます。当方より、□などを拝呈申し上げ、衷心を表明いたしたく存じますが、とりあえず御礼の御手紙申し上げます。時下、寒さ厳しきおりから、なにとぞ御自愛下さいますよう、人天の為にも祈念申し上げます。以上。
 十二月十八日
       渡辺海旭
長崎老僧正
   御侍者中

美品です。