【賛・原文】
一夜龍孫雨
墻頭破緑苔
此中高節在
何待雪霜来。
細香
【賛・訓読文】
一夜 龍孫(りゅうそん)の雨
墻頭(しょうとう) 緑苔(りょくだい)を破る
此中(このうち)高節(こうせつ)在り
何ぞ雪霜(せっそう)の来たるを待たんや
【賛・訳文】
ある夜、筍に雨降り
離(まがき)のそばで緑の苔を突き破って現れた
ここにもう竹の高き節操が現れている
どうして厳しい冬の雪や霜の到来を待つ必要があろう
【註】
竹に高い節があり、幹が空洞になっているその属性は、人の謙虚さや高い節操を象徴するものであり、厳しい冬の雪や霜にも枯れず青々としているその姿が、また人の不屈の精神を象徴するものとして捉えられている。
優品。