千宗室
昭和31年(1956)~
京都市に生まれる。同志社大学卒。大徳寺中村祖順の下で得度。坐忘斎の号を受ける。平成14年(2002)2月、鵬雲斎家元の跡を継ぎ、裏千家16代家元となり今日庵庵主として宗室を襲名。著書に「ほおづえついて」「母の居た場所」など。
【原文】
新玉の御慶、芽出度申納候。先以而
御前様初め御館首様ニも御揃
被遊、大慶至極ニ奉存候。平素ハ意ならずも
御無音に打過、失礼之段、御海容なし被下度候。
尚本年も不相変、御厚情之程、
希々願上候。先ハ年頭御祝詞申述
度、何卒宜敷御披露なし被下度候。敬具。
元旦 千 宗室拝
益田男爵家
御家扶御中
【訓読】
新玉の御慶、めでたく申し納め候ふ。先ず以て
御前様初め御館首様にも御揃いあそばされ、
大慶至極に存じ奉り候ふ。平素は意ならずも
御無音に打ち過ぎ、失礼の段、御海容なし下されたく候ふ。
尚本年も相ひ変わらず、御厚情の程、
まれまれ願ひ上げ候ふ。先ずは年頭御祝詞、申し述べたく、
なにとぞよろしく御披露なし下されたく候ふ。敬具。
元旦 千 宗室拝
益田男爵家
御家扶御中
【訳文】
新年の御慶をめでたく申し納めます。まずは御前様初め、御館首様にも御揃いあそばされまして、大慶至極に存じます。平素は心ならずも御無沙汰に過ごしてしまい、失礼の段はどうぞ御海容下さいませ。なお本年もあい変わらず御厚情の程を、どうぞよろしくお願い申し上げます。まずは年頭の御祝詞を申しあげたく、よろしく御披露下さいませ。敬具。
元旦 千 宗室拝
益田男爵家
御家扶御中
美品。