大聖武 Ojomu

賢者愚者に関する譬喩的な話を集めた経典『賢愚経』の断簡。唐からもたらされたとも渡来人か写経生の筆跡であるともいわれるが定かではない。いずれにしても奈良時代の写経である。聖武天皇の筆跡という伝承があり、ふつう写経は一行一七字であるが、これは十二字あるいは十三字で一行が構成されており、その字粒の大きいところから「大聖武」と呼ばれる。料紙は香木の粉末をすき込んだ厚手の上質紙に、貝の粉を焼いた胡粉を塗ったものであるが、それを釈迦の遺骨粉とみなし荼毘紙と呼ぶ。

大聖武 御宸翰
御宸翰

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