久松真一記念館

京都大学心茶会

茶道箴
吾等今幸に露地草庵に入って、茶道の玄旨に参じ、和敬清寂の法を修することを得。 願わくは前賢古聖の芳躅を攀ぢ、筍且にも遊戯逸楽に流れ、好事驕奢に趨り、流儀技芸の偏固して邪路に堕すること勿く、堅く佗数奇の真諦を把住し、専ら心悟を旨とし一期一会を観じて道業倦むこと無く、事理双修し、挙止寂静にして塵念を生ずること無く、事物人境に対って無念にして心身自ら道に契ひ、山水、草木、草庵、主客、諸具、法則、規矩共に、只一箇に打擲し去り、皆倶に無事安心一様の白露地を現成し、茶の十徳を以って世を饒益せんことを。

茶道小箴
和敬清寂今正に修し喫茶去身心寥廓たり願はくはに堅持し、精進以て事理円成せんことを。

「茶道箴」ならびに「茶道小箴」は昭和16年、京都大学心茶会創立に際し、久松真一自らが作った茶道を学ぶものの心構えです。京都大学心茶会は昭和15年秋、京都大学学生のなかで桜井忠養、南部(後に久保田)真宏等ら学生有志から、茶道の会を起こしたいとの強い希望があり、久松がその指導にあたることになります。久松は学生を指導するにあたり、利休の侘茶につながる道としてのお茶でなければならないとし、その精神を自ら「茶道箴」「茶道小箴」にまとめました。