江稼圃
Kou Kaho

 江稼圃 1
 江稼圃 2
 江稼圃 3 江稼圃 4
 江稼圃 5 江稼圃 4
 江稼圃 5 江稼圃 5
 江稼圃 5
作家名
江稼圃 こう かほ
作品名
林逋梅花七律
作品詳細
掛け軸 紙本水墨 緞子裂 大野百錬箱
本紙寸法61.4×144.2
全体寸法65.7(胴幅)×203p
註釈

大野百錬
元治元年(1864)〜昭和16年(1941)

美濃国大垣に大垣藩士大野十助の二男として生まれる。菱田海オウ、野村藤陰、岩田滝に漢学を学ぶ。明治29年、大垣中学(大垣北高)に勤務。大正8年、同校を退職し書道家に専念する。大正13年、帝国書道院を設立。

【翻刻文、読み下し文】
衆芳搖落独暄妍 衆芳揺落(しゅうほうようらく)して 独り喧妍(けんけん)
占尽風情向小園 風情を占め尽くすこと 小園に向(お)いてす
疎影横斜水清浅 疎影横斜して 水 清浅(せんせい)
暗香浮動月黄昏 暗香浮動して 月黄昏(たそがれ)
霜禽欲下先偸眼 霜禽(そうきん)下りんと欲して 先ず偸眼(とうがん)す
粉蝶如知合断魂 粉蝶(ふんちょう) 如(も)し知らば 合(まさ)に断魂すべし
幸有微吟可相狎 幸いに微吟(びきん)の相狎(あいな)る可き有り
不須壇板与金尊 須(もち)いず檀板(だんぱん)金尊と

【現代語訳】 多くの花が散り落ちた冬景色の中で、梅だけがひとり、あでやかに咲き誇り、この静かな小園の風情を独り占めにしている。梅の枝の影が、清らかに澄んだ水に影を写し、横に斜めに揺れている。黄昏時の月明かりの中、梅の香りが漂っている。冬鳥は、降りようとして、あたりを見渡す。白い蝶は、この梅の花の美しさを知ったら、きっとすっかり魂を奪われてしまうだろう。この幸せを感じ、詩を吟していれば、拍子木も酒樽もいらない。

北宋の詩人林逋の七言律詩「山園小梅」の前六句。
林逋は、杭州銭塘(浙江省杭州)の人で、西湖の孤山に隠棲し、梅花をこよなく愛し、梅を妻とし鶴を子として生涯独身で過ごした。死後、和靖先生と諡された。