細川光尚
Hosokawa Mitsunao

 細川光尚 1
 細川光尚 2
作家名
細川光尚ほそかわ みつなお
作品名
細川刑部興孝宛書状
作品詳細
掛け軸 紙本水墨 緞子裂 合箱
本紙寸法48.6×32.5
全体寸法59.6(胴幅)×123p
註釈

細川刑部興孝

細川忠利公の弟。細川家の分家、細川刑部家の祖。

【原文】
(上段)
 猶々、此ふミ、火中■(くの字点。「く」の伸びた踊り字)候、以上
飛脚参候間申候、
御手前之事越中様
きこしめし、
 御機嫌
少もあしく
 無之
候様ニ可有之と
 思召候由
ニて候まゝ、少も
 御気遣
有ましく候、
 先此事

さた有ましく候、
弥此上ハ 越中様
次第と思召尤ニ存
 候、
いよ■(くの字点)様子承合
可申入候、貴様
 御息災候哉、
御気色殊承度候、

(下段)
越中様も一段御無事
ニ御座候、将又御母上様
一段御そくさいの
 御事ニ候、
貴様様子も具ニ
 五郎大夫ニ
迄申候、其外
 爰元別条
無之候、猶跡より可
申入候、恐々謹言

(寛永年間) 肥後守(光尚)
 卯月十六日 (花押)
 封之印(印)
(細川興孝)
細 刑部様
 御宿所

【訓読文】
(上段)
なおなお、この文火中火中(くの字点。「く」の伸びた踊り字)に候、以上 飛脚参り候間申候、御手前のこと越中様聞こし召し、御機嫌少しも悪しくこれなく候ようにこれあるべくと思し召し候よしにて候まま、少しも御気遣いあるまじく候、先づこのこと御沙汰あるまじく候、いよいよこの上は、越中様次第と思し召し尤に存じ候、いよいよ様子承り合い申し入るべく候、貴様御息災候や、御気色殊に承りたく候、越中様も一段御無事にござ候、はたまた御母上様一段御息災の御ことに候、貴様様子もつぶさに五郎大夫に迄申し候、そのほかここもと別条これなく候、なお跡より申し入るべく候、恐々謹言

(寛永年間)卯月十六日 肥後守(光尚)(花押)
    封之印(印)

細(川)刑部様御宿所

【現代訳】
追伸、この文を火中へ捨てられるように。以上。
飛脚が参ったのでしたためます。御手前(叔父細川興孝)のことを越中(父細川忠利)様がお聞きになっても、ご機嫌が少しも悪くはなられなかったとのことですから、少しもお気遣いはありません。先づこのことのお沙汰はありません。ますますこの上は、越中様次第とお考えになって宜しいかと存じます。今後も様子を聞き合って申し入れます。貴様はご息災でしょうか、ご気色をとりわけ承りたいものです。越中様もいっそうご無事でございます。また御母上様もいっそうご息災です。貴様の様子も詳しく五郎大夫まで伝えました。そのほか、こちらは別条はありません。なお、後から申し入れます。恐々謹言
(寛永年間)卯月十六日 肥後守(光尚)(花押)
    封之印(印)
細(川)刑部(細川興孝)様御宿所