梁川星巌
Yanagawa Seigan

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作家名
梁川星巌
やながわ せいがん
作品名
芳野懐古舊作六絶句
作品詳細
掛け軸 紙本水墨 合箱
作品寸法58.6×128㎝
全体寸法75×180.5㎝
註釈

江戸中期に国学がさかんになり、その息吹を受けた尊皇思想が徐々に倒幕運動へと向かう政治思想の潮流となるなかで、多くの尊皇の詩人たちが遙か南北朝時代に思いを馳せた詩を作りました。そのなかでも、当時の代表的漢詩人であった梁川星巌の《今来古往事茫茫》で始まる芳野懐古は、名詩として謳われ、藤井竹外、河野鉄兜とともに芳野三絶として世に知られています。これまで、梁川星巌の芳野懐古は、『梁川星厳全集』(伊藤信著)に訳出されているように、一般に『日支峰影集』所収の五言絶句三首および、『鴨沂小隠集』所収の七言絶句二首の計五首が梁川星巌の芳野懐古として知られていました。この梁川星巌詩書『芳野懐古舊作六絶句』は、そこに、もう一つの芳野懐古が存在し、梁川星巌の芳野懐古は、元々六首あったことを物語っています。この梁川星巌詩書『芳野懐古舊作六絶句』は、もう一つの芳野懐古の存在を明らかにする貴重な新発見の資料となるものです。
尚、「梅田左監重遊吉野」の梅田は梅田雲浜に間違いないでしょう。

翻字
太息重太息、延元陵樹荒。年年二三月、花發滿山香。
君王感南木、一夢已悠悠。空?英雄涙、汎瀾竟不休。
妖花妃子面、啼鳥帝王魂。無限南朝事、春山笑不言。
吉野懐古京國三首。

一木纔能支左天、賊繹曰規日紛結。自従國破忽臣殆、朝佛横行五百年。

不知何處古行宮、飄瞥春空羅綺風。今日誰爲奉陵者、夕陽僧掃落花紅。
年來年去事茫茫、石馬無聲抔土荒。春入櫻花滿山白、南朝天子御魂香。
吉野懐古三首。舊作六絶句、縁以贐。
梅田左監重遊吉野星巖梁孟緯拝具
(赤字部分新発見の芳野懐古)