富岡鉄斎
Tomioka Tessai

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 冨田渓仙 5

須佐之男命御神影裏書

作家名
富岡鉄斎
とみおか てっさい
作品名
健速須佐之男命御像(スサノオ)
作品詳細
掛け軸 絹本彩色 緞子裂 象牙軸 共箱 二重箱入
本紙寸法41.2×130
全体寸法59.7×192p
註釈

須佐之男命御神影裏書

【原文】
八坂神社 建速須佐之男命御神影
此御像を写し奉るに、殊更不浄の墨筆用ひず。御神灯の油烟の凝りたるを墨
とし、筆は茅根の天然筆、彩具ハ赤白等、みなみな膠を用ひず候。清潔を法とす。 是は深きわけある事にて、抑神事ハ能々心を用ひ取扱ひ、かりにも不
浄の手に触ること、なかるべし。将亦、御神影の賛は神代文字にて、則八坂大神の
御歌故に、そは、やくもたついつもやへ垣つまこめにやへ垣つくる其やへ垣を、と
あるをしるす。これの御神像ハ、杉浦ぬしニ贈によりて、そのわけをしるす。鉄斎百錬(印)。

【訳文】
八坂神社の「たけすさのをのみこと」の御神の肖像画の裏書き。
この神像をえがき申し上げるに際しては、ことさらに、不浄の墨や筆は使わなかった。御神灯の油煙を墨として、筆は茅の根の天然の筆である。彩色には赤・白ともに、動物性の膠は使わず、清潔をむねとした。これには深いわけがあることで、そもそも神事というのは、よくよく心を使って取り扱うべきもので、かりにも不浄の手で触ってはならないのである。はたまた、神像の賛は神代文字を使って書いてあり、それは、すさのをの命の歌であって、「八雲たつ出雲八重垣妻ごめに八重垣作るその八重垣を」(古今集序文)という歌を記してあるのである。この神像は杉浦氏に贈るものであるから、その由来を記した。鉄斎百錬。