江馬細香
Ema Saikou

江馬細香1
江馬細香2
江馬細香3
江馬細香3
江馬細香5
作家名
江馬細香 えま さいこう
作品名
山水図 3
作品詳細
掛け軸 紙本水墨 緞子裂 合箱
本紙寸法90.2×47.5cm
全体寸法109×145p
註釈

細流高樹繞柴門
住著城東負郭村
老後無為天供我
郡生芸爾地収根
醺人麹蘖杯中味
写竹芦麻筆下痕
知是前身応法性
愛茲閑淡隔塵喧
甲寅春日写併祿 細香

細流高樹 柴門を繞(めぐ)り
住著す 城東 負郭の村
老後の無為 天 我に供す
郡生の芸爾 地 根を収む
人を醺(くん)ずるの麹蘖(きくげつ) 杯中の味
竹を写すの芦麻(ろま) 筆下の痕
知らぬ 是れ前身 法性(ほっしょう)に応ずるを
愛す 茲(じ)の閑淡 塵喧(じんけん)を隔つるを

我が家の柴の門を細い流れがめぐり、高い樹々がとりかこんでいます。城下の東の郊外の豊かな村にずっと住んでいます。老いて自然のままに生きる境地を、天が私に恵んでくれました。群がり生える香り草は、しかっりとこの地に根づいています。いい気持ちに酔わせてくれるお酒を杯で味わい、竹を写したつもりの芦や麻のような画は、私の筆の痕から生まれました。きっとこれは前世からの約束ごとに対応しているのでしょう。こんな閑かで何事もない境地を愛し、世間のわずらわしさから離れて暮らしています。

(江馬細香詩集『湘夢遺稿』下、入谷仙介監修・門玲子訳注より)

安政元年(1854)68歳の優品。